将来の年金見込み、再評価率でどうなる?
会社員が老後の生活を支えるため加入する年金制度の一つに、会社が用意する企業年金があります。その種類の一つであるキャッシュバランスプランは、確定給付型と確定拠出型、二つの制度の特徴を併せ持っています。
確定給付型年金のように、将来もらえる年金額があらかじめ決まっているわけではありません。しかし、確定拠出型年金のように、加入者自身が運用方法を選ぶ必要もありません。キャッシュバランスプランは、仮想的な口座を用意し、その残高に応じて将来の年金額が決まる仕組みです。この口座残高は毎年一定の割合で増えていきます。この割合が「予定再評価率」と呼ばれるものです。
予定再評価率は、将来の年金額を大きく左右する重要な要素です。加入者にとっては、将来受け取れる年金額を予想する上で、予定再評価率は重要な目安となります。
確定給付型年金の場合、将来支払う年金額はあらかじめ決まっているため、運用で得られた利益が予定よりも少なかった場合、その差額は会社が負担しなければなりません。つまり、金利変動などの危険性は会社が負います。一方、キャッシュバランスプランでは、あらかじめ約束された利率で口座残高が増えていくため、会社は金利変動の危険性を負いません。この点は、確定拠出型年金に近いと言えます。
確定拠出型年金では、加入者自身がどのようにお金を運用するかを選びますが、キャッシュバランスプランでは、あらかじめ会社が定めた方法で運用されます。この点は、確定給付型年金に近いと言えます。
会社にとって、予定再評価率をどのように決めるかは、年金制度の運営費用や将来の負担額に影響を与えるため、慎重に検討する必要があります。