登録金融機関とその役割
みなさまが大切なお金を預けている銀行や、地域に根差した信用金庫、信用組合といった金融機関は、普段、お金の預かりや貸し出しといった業務を中心に行っています。しかし、実はこれらの金融機関も、特定の条件を満たせば、普段は証券会社が行っているような株や債券の取引といった業務を行うことができるのです。これが「登録金融機関」制度です。
一般的に、金融機関は、預金や融資といった業務を主な業務としています。登録金融機関になるためには、内閣総理大臣の登録を受ける必要があります。これは、誰もが勝手に株や債券の取引といった業務を行えるようにしてしまうと、金融の仕組み全体が不安定になり、みなさまのお金が危険にさらされてしまう可能性があるからです。そのため、政府がきちんと登録を行い、安全性を確かめた上で、一部の金融機関に限定的にこれらの業務を許可しているのです。
登録金融機関になることで、金融機関は、お客様に、預金や融資だけでなく、株式や債券の売買、投資信託といった、より幅広いお金のサービスを提供できるようになります。これはお客様にとって大きな利点です。なぜなら、一つの金融機関ですべてのお金の取引を済ませることができるようになるからです。例えば、預金口座からお金を引き出して、同じ金融機関で株を買う、といったことができるようになります。あちこちの金融機関に出向く必要がなくなり、とても便利になります。
金融機関にとっても、登録金融機関となることはメリットがあります。株や債券の取引といった新たな業務を行うことで、これまでとは異なる方法でお金を得ることができるようになります。また、より幅広いサービスを提供することで、より多くのお客様を集めることも期待できます。
ただし、登録金融機関だからといって、すべての株や債券に関する業務を行えるわけではありません。内閣総理大臣の登録を受けた範囲内での業務に限られています。これは、金融の仕組み全体の安定と、みなさまのお金の安全を守るための大切な決まりです。