共済型年金制度:基礎から学ぶ
共済型年金制度とは、かつて多くの会社員が加入していた厚生年金基金における給付形態のひとつです。厚生年金基金には、大きく分けて加算型、代行型、そしてこの共済型という三つの種類がありました。名前からも分かるように、かつて多くの職場で設けられていた共済組合の年金制度と似た仕組みを持っているため、共済型と呼ばれています。
共済組合は、加入者である従業員がお互いに協力し合い、病気やケガ、死亡といった不測の事態が起こった際に助け合うという、相互扶助の精神を基本として運営されていました。この助け合いの精神は、共済型年金制度にも受け継がれています。つまり、加入者全体の利益を守るための様々な仕組みが、制度の中に組み込まれているのです。共済型年金制度の特徴は、企業が独自に設計した計算方法で最終の給与額、もしくは一定期間の平均給与を計算の基礎として用いるという点です。厚生年金のように国で定められた計算式ではなく、それぞれの企業が独自に計算式を定めることができるのです。
このため、会社の業績や個人の会社への貢献度が年金額に反映されやすく、従業員の勤労意欲を高める効果が期待できます。頑張りが年金に反映される仕組みは、より良い仕事へのモチベーション向上に繋がるからです。また、国が運営する厚生年金の一部を代行して支給する部分と、会社が独自に上乗せする部分とを分けて計算するのではなく、まとめて計算するため、将来もらえる年金額が分かりやすいという利点もあります。複雑な計算式や複数の制度内容を理解する必要がなく、将来設計を立てやすいため、従業員にとって安心材料となるでしょう。このように、共済型年金制度は、企業と従業員双方にとってメリットのある制度と言えるでしょう。