公共財

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経済知識

みんなで使うもの:非競合性のお話

分け合うことができるもの、それが非競合性と呼ばれるものの本質です。みんなで一緒に使えるもの、奪い合う必要がないもの、それが非競合性です。 例えば、美味しいお菓子を考えてみてください。一切れ食べたら、その分だけ残りは少なくなります。みんなで分け合うには、切り分ける必要があります。これは競合的なものです。誰かが使っている間、他の人は使えません。しかし、ラジオの放送は違います。ある人がラジオを聴いていても、他の人が同じ放送を聴くことは妨げられません。電波は無限にあるわけではありませんが、聞いている人が増えたからといって聞こえなくなることはありません。これが非競合性の典型的な例です。 つまり、非競合性とは、ある人が何かを利用しても、他の人が同じものを利用できる量が減らない性質のことです。ラジオ放送以外にも、たくさんの例があります。例えば、美しい夕焼け。一人が眺めていても、他の人が一緒に眺めることができます。また、公園のベンチもそうです。誰かが座っていても、他の席が空いていれば、他の人も座ることができます。座れる人数には限りがありますが、他の人が座ることによって、既に着席している人が座れなくなるわけではありません。混雑していない時間帯であれば、ベンチは非競合的と言えるでしょう。 非競合的なものは、多くの人の役に立ちます。奪い合う必要がないので、争いが起きることもありません。みんなが同時に同じものを楽しむことができます。これは、社会にとって大きな利益となります。ただし、常に非競合的であるとは限りません。例えば、公園のベンチは、多くの人が座ろうとすると、座れなくなる人が出てきます。これは競合的な状態です。このように、状況によっては非競合的なものが競合的なものになることもあるということを理解しておくことが大切です。
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排除不可能性:公共財理解の鍵

排除不可能性とは、ある品物やサービスを享受する際に、料金を支払っていない人を締め出すことが難しい、あるいはできない性質のことを指します。これは、みんなが使える品物である公共財を理解する上で欠かせない考え方です。 身近な例として、公園を考えてみましょう。公園は通常、誰でも無料で利用できます。たとえ利用料金を支払っていなくても、公園の利用を制限することは難しいでしょう。このように、利用者を一人ひとり選別し、料金を支払っていない人を排除することが難しい品物が、排除不可能性を持つ品物です。橋や道路なども同じ性質を持っています。 これらの品物は、一度提供されると、たくさんの人々が恩恵を受けることができます。しかし、恩恵を受ける人々全員から料金を集めることは、実際には難しい場合が多いです。料金を徴収するための管理費用が高額になることや、料金所を設置することで人々の移動が妨げられることなどがその理由として挙げられます。 もし、公園の利用に料金を課すとどうなるでしょうか?料金を支払えない人や、支払いたくない人は公園を利用できなくなります。しかし、公園は人々の憩いの場としての役割も担っており、誰もが利用できる状態が望ましいと考えられます。そのため、公園は公共財として扱われ、税金によって維持管理されています。 橋や道路も同様です。これらは経済活動や人々の生活に不可欠なインフラであり、料金を徴収することで利用者が減り、経済活動が停滞する可能性があります。そのため、多くの場合、橋や道路も税金によって建設、維持管理されています。 このように、排除不可能性は、市場の仕組みだけでは最適な供給が難しい品物を生み出す要因の一つであり、国の政策を考える上で重要な視点となります。
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排除可能性:市場メカニズムの基本

分け合うことが難しいもの、それが排除可能性のあるものです。簡単に言うと、お金を払わない人には使わせない、ということです。お店で買ったお菓子は、お金を払った人だけが食べられますよね。これが排除可能性です。 お店の人は、お菓子を作るために材料を買い、時間をかけて作っています。その対価としてお金をもらわなければ、材料費も人件費もまかなえません。そこで、お金を払った人だけが食べられるようにすることで、作ったお菓子の価値に見合うお金を得ることができるのです。もし、誰でもお菓子を食べられたら、お店の人は商売になりません。 遊園地も同じです。遊園地はたくさんの遊具を備え、安全に楽しめるように整備し、お客さんを楽しませるためにお金をかけています。これらにかかった費用を回収するために、入場料を払った人だけが遊べるようにしています。もし、誰でも無料で遊べたら、遊園地の経営は立ちゆかなくなってしまいます。 映画や音楽配信サービスなども同じ仕組みです。作った人や提供する会社にお金が渡るようにすることで、新しい作品が作られたり、より良いサービスが提供されたりするのです。 一方で、公園のベンチや街灯のように、誰でも使えるものもあります。これらは、排除することが難しく、お金を払わなくても使えます。このようなものは、税金などみんなで出し合ったお金で作られています。 このように、排除可能性は、誰が作ったのか、誰が管理しているのかをはっきりさせることで、きちんと対価が支払われるようにする仕組みなのです。この仕組みにより、様々な商品やサービスが生まれ、私たちの生活は豊かになっています。