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国の借金:政府債務残高を理解する

国の借金、すなわち政府債務残高とは、国がこれまで積み重ねてきた借金の総額を指します。家計簿と同じように、国にも歳入と歳出があり、毎年収支の記録がつけられています。歳入とは、税金や国有財産の売却益など、国に入るお金のことです。歳出とは、社会保障費や公共事業費、教育費、防衛費など、国がお金を使うこと、つまり支出のことです。歳入よりも歳出が多い状態を財政赤字と言い、この赤字を補填するために国は国債を発行して資金を調達します。この国債とは、国が国民や企業、金融機関などからお金を借りるために発行する債券のことです。そして、発行された国債の残高が積み重なったものが、政府債務残高となるのです。 政府債務残高は、国の財政状況を測る重要な指標となります。この残高が多ければ多いほど、国の借金は膨らんでいることを意味し、財政の健全性が損なわれていると判断されます。毎年の財政赤字が積み重なれば、当然、政府債務残高も増加します。財政赤字と政府債務残高は、いわば車の両輪のように密接に関係しているのです。将来世代に大きな負担を強いる可能性もあるため、政府債務残高は、現在だけでなく将来の経済状況にも影響を及ぼす可能性があります。 政府債務残高の大きさや変化は、国内外の経済や政策に大きな影響を与えます。例えば、政府債務残高が過度に大きいと、国の信用力が低下し、国債の金利が上昇する可能性があります。金利が上がると、国債の利払いに充てる費用が増加し、財政をさらに圧迫することになります。また、国の信用力の低下は、海外からの投資を呼び込みにくくするなど、経済全体に悪影響を及ぼす可能性も懸念されます。そのため、政府は、歳入を増やす、歳出を減らすなど、財政健全化に向けた様々な取り組みを行い、政府債務残高の増加を抑える努力を続けているのです。