債券の裸値段:知っておくべき基礎知識
お金を貸し借りする証書のようなもの、債券。この債券を売買するとき、その値段を正しく理解することはとても大切です。債券には、額面価格や利息といった基本的な考え方以外に、裸値段というものが存在します。これは、債券の価格から経過利息と呼ばれるものを差し引いた、純粋な債券の値段を示しています。言い換えれば、債券そのものの価値を表すものと言えるでしょう。
例を挙げて説明します。100円の額面価格で発行された債券があるとします。この債券は、満期日になると105円で償還されます。この105円には、額面価格の100円に加えて、5円の利息が含まれています。もし、満期日よりも前にこの債券を買う場合、買った時点から満期日までの利息、つまり経過利息が発生します。この経過利息を差し引いた価格が、裸値段です。
具体的な例を挙げると、債券の価格が102円で、経過利息が1円だとします。そうすると、裸値段は102円から1円を引いた101円になります。このように、経過利息を含んだ債券価格ではなく、経過利息を除いた裸値段を見ることで、債券本来の価値を正確に捉えることができます。なぜなら、経過利息は日ごとに変化する一時的な利息であり、債券そのものの価値とは区別して考える必要があるからです。
債券投資においては、目先の価格だけでなく、この裸値段を理解することで、より的確な投資判断を行うことができるでしょう。将来の利回りやリスクなどを評価する際に、裸値段は重要な指標となるため、しっかりと理解しておくことが大切です。