倍率

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レバレッジ型投資の仕組みと注意点

値上がり益を大きく狙える投資方法として、レバレッジ型投資というものがあります。これは、市場全体の動きを表す指数(例えば、日経平均株価やTOPIXなど)の変動を、定められた倍率で拡大して反映させる商品に投資する方法です。 例えば、2倍のレバレッジをかけた商品に投資した場合を考えてみましょう。日経平均株価が1%上がると、この商品は2%値上がりします。3%上がれば6%の値上がりです。このように、指数の動きよりも大きな利益を狙うことができます。 しかし、値下がりの場合も同様に損失が拡大します。日経平均株価が1%下がると、商品は2%値下がりし、3%下落すれば6%の値下がりになります。つまり、利益も損失も2倍になるのです。 このため、レバレッジ型投資は短期的な値動きを狙う取引には向いていますが、長期投資には向きません。なぜなら、毎日、その商品の構成比率を調整する作業(これをリバランスと言います)が行われ、その結果、複利効果という現象が発生し、長い目で見ると損失が膨らむ可能性があるからです。 たとえば、ある指数が1日で10%下落し、翌日に10%上昇した場合を考えてみましょう。一見すると元の価格に戻るように思えますが、実際にはそうではありません。100万円を元手にした場合、初日に10%下落すると90万円になり、翌日に10%上昇しても99万円にしかなりません。このように、価格変動が大きいほど、複利効果による目減りは大きくなります。レバレッジをかけた商品は価格変動が大きいため、この影響を受けやすいのです。 レバレッジ型投資は、大きな利益を得られる可能性がある一方で、大きな損失を被る危険性もある、諸刃の剣のような投資方法と言えるでしょう。投資する際は、仕組みをよく理解し、余裕資金の範囲内で行うことが大切です。