無限等比級数の公式:金融への応用
限りなく続く等比数列の和を求める公式について詳しく説明します。この公式は、初項を「最初の値」、公比を「一定の割合」とした場合に、それらが無限に続いた時の合計値を求めるために使われます。公式は「合計値 = 初項 ÷ (1 - 公比)」と表されます。ただし、公比は必ず1よりも小さい必要があります。
この公式が役立つ場面を、預金の例で考えてみましょう。最初に預けた金額を初項と考え、利息を含めた増加率を公比と考えます。もし、この増加率が一定の割合でずっと続くとしたら、最終的に預金はいくらになるでしょうか?一見すると、終わりなく続く計算で途方もないように思えますが、この公式を使えば簡単に答えが出せます。
公式が成り立つ理由は、公比が1よりも小さい場合、公比を何度も掛け合わせることで、その値は限りなく0に近づくからです。例えば、0.5を何度も掛け続けると、0.25、0.125とどんどん小さくなり、最終的にはほぼ0とみなせるほど小さくなります。そのため、無限に続くように見えても、ある程度の回数で計算を打ち切っても、ほぼ正確な合計値を得られます。
この公式は、様々な分野で応用されています。例えば、経済学では将来の収入や支出を予測する際に、物理学では減衰振動の運動を解析する際に、この公式が活用されます。一見複雑な計算も、この公式を理解することで、簡潔に解決できる場合があります。