保護預り先の役割と重要性
海外の株式や債券などに投資する場合、個人投資家が直接海外の証券会社に口座を開設して取引を行うことは、手続きや言葉の壁などから容易ではありません。そこで、国内の信託銀行などを仲介して投資を行う預り証方式が広く利用されています。この方式では、信託銀行は国内の証券会社を経由して海外の証券に投資を行います。
具体的には、投資家が信託銀行に資産を預けると、信託銀行は国内の証券会社に購入指示を出します。国内の証券会社は海外の取引先を通じて証券を購入し、その証券は保護預り先に預けられます。そして、保護預り先は信託銀行を通じて投資家に預り証を発行します。この預り証が、投資家が海外の証券を保有している証明となるのです。
この仕組みの中で、保護預り先は重要な役割を担っています。保護預り先は、国内の証券会社から預かった資産を自社の保護預り口座に記録し、その記録に基づいて預り証を発行します。いわば、海外投資における国内の窓口のような役割を果たし、投資家の大切な資産を安全に管理する責任を負っています。
預り証方式を採用することで、投資家は海外の証券会社と直接やり取りする必要がなくなり、言葉の壁や複雑な手続きを気にすることなく、海外投資を行うことができます。また、保護預り先が資産の管理を行うことで、投資家の資産はより安全に保全されます。海外投資を検討する際には、この保護預り先の存在と役割を理解しておくことが重要です。