企業価値評価

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経営

売却時価会計:企業価値の真の姿

売却時価会計とは、会社を畳む際に、会社が持っている全ての財産と借金を、売る時点での値段で評価する方法です。普段の会計では、財産は買った値段から使い古した分などを引いた値段で記録されます。しかし、売却時価会計では、実際に市場で売れる値段で財産の価値を決めるので、会社の本当の価値をより正確につかむことができます。 特に、持っている財産に土地や建物、株など、市場で売り買いしやすい財産が多い場合、記録されている値段と実際の値段の差が大きくなることがあります。そのため、売却時価会計の重要性が高まります。 近頃の経済はめまぐるしく変わり、新しい技術もどんどん出てきています。そのため、会社の仕組みや財産の価値も大きく変動しています。このような状況では、従来の記録されている値段だけで会社の状態を正しく把握するのは難しく、素早い判断の邪魔になることもあります。 例えば、ある会社が工場を長い間保有しているとします。帳簿上では古くなって価値が下がっているように見えても、実は工場の周りの土地の値段が上がっていて、工場を売却すれば大きな利益が出るかもしれません。このような場合、従来の会計方法では会社の本当の価値を見誤ってしまう可能性があります。売却時価会計を用いれば、土地の値上がりを反映した工場の売却価格を把握できるため、より正確な会社の価値を測ることが可能になります。また、会社を売却したり、合併したりする際にも、売却時価会計の情報は交渉をスムーズに進める上で非常に役立ちます。 売却時価会計は、このような問題に対処するための、より実態に合った会計方法として注目されています。会社を清算する時だけでなく、経営判断を行う上でも、売却時価会計の情報は重要な役割を果たします。市場の状況をいち早く把握し、的確な経営判断を行うために、売却時価会計は今後ますます重要になっていくでしょう。
分析

企業価値を測るDCF法

お金の時間的価値という言葉を聞いたことがありますか?これは、今すぐ手に入るお金と、将来手に入るお金では、価値が異なるという考え方です。今あるお金はすぐに投資したり使ったりできるので、将来受け取るお金よりも価値が高いとされます。この考え方を基にした、投資判断に使われる手法の一つに、割引現在価値法というものがあります。 割引現在価値法は、将来得られるお金を、現在の価値に置き換えて評価する方法です。たとえば、一年後に百万円もらえるとします。普通に考えれば百万円の価値ですが、もし今すぐに百万円を受け取れたら、銀行に預けたり他の投資に回したりして、一年後には百万円以上の価値になっているかもしれません。また、物価が上がることを考えると、一年後の百万円では、今と同じだけの物が買えないかもしれません。つまり、一年後に受け取る百万円は、今すぐ受け取る百万円より価値が低いのです。 割引現在価値法では、将来のお金の価値を現在の価値に直すために「割引率」という数値を使います。割引率は、投資家が求める利益率や、市場の金利、投資のリスクなどを考慮して決められます。リスクが高い投資ほど、より高い割引率が適用されます。割引率が高いほど、将来のお金の現在価値は低くなります。 たとえば、割引率を10%とすると、一年後に受け取る百万円の現在価値は約九十一万円になります。もし割引率が5%なら、現在価値は約九十五万円です。このように、割引率によって現在価値は大きく変わります。割引現在価値法を用いることで、将来得られるお金の価値を正しく評価し、投資判断を行うことができます。 割引現在価値法は、企業価値の評価や不動産投資、株式投資など、様々な分野で使われています。将来のお金の流れを予測し、適切な割引率を設定することで、投資対象の価値を客観的に判断することができる、大変有用な手法と言えるでしょう。