配当控除で税負担軽減
株式投資によって得られる配当金には、税金がかかります。これは、企業が利益に対して法人税を支払った後に残った利益から株主へ支払われるため、同じ利益に対して企業と株主の両方で課税されることになり、二重課税と呼ばれています。この二重課税を解消し、株主の税の負担を軽くするしくみが配当控除です。
配当控除を受けるには、確定申告時に総合課税を選択する必要があります。総合課税とは、様々な所得を合計して税額を計算する方法です。配当控除では、一定の金額を所得から差し引くことで、課税対象となる所得を減らし、結果として所得税の負担を軽減することができます。
控除額は、配当所得の金額と所得税率によって異なります。一般的に、所得税率が高いほど、控除額も大きくなります。これは高所得者ほど税負担が重いため、その負担を軽減する効果を高めるためです。
配当控除を受けることで、株式投資の魅力を高めることができます。二重課税の負担が軽減されるため、より多くの投資家が株式市場に参加しやすくなります。また、企業にとっては、株主への還元をより積極的に行う動機づけとなります。
配当控除を受けるためには、確定申告の手続きが必要です。証券会社から送付される特定口座年間取引報告書や配当金領収証などを参考に、正しく申告を行うことが大切です。
なお、配当控除は、確定申告で分離課税を選択した場合は適用されません。分離課税とは、配当所得を他の所得と分けて税額を計算する方法で、一律の税率が適用されます。どちらの課税方法が有利かは、個々の状況によって異なりますので、よく検討する必要があります。