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年金

想定利回り:退職金設計の要

確定拠出年金とは、会社員や公務員などが老後の生活資金を準備するために行う制度です。この制度では、加入者自身が毎月一定額の掛金を拠出し、それを元手に自ら選んだ運用方法で資産運用を行います。将来受け取れる年金の額は、拠出した掛金の総額と、運用によって得られた利益によって決まります。 想定利回りとは、この確定拠出年金において、将来受け取ることのできる年金額を予想するために用いられる運用利回りの目安となる数値です。言いかえると、運用資産が将来どれくらい増えるかという見込みを示すものです。この想定利回りは、従来の退職金制度から確定拠出年金に移行する際に特に重要な役割を果たします。従来の退職金制度では、会社が退職金の額をあらかじめ決めていましたが、確定拠出年金では運用成果によって将来の年金額が変わります。そのため、従来の制度と同程度の退職金を受け取れるようにするために、どれくらいの利回りで運用する必要があるのかを計算する際に、この想定利回りが使われます。 会社にとっては、想定利回りは従業員に支払う掛金の額を決める際の重要な要素となります。従業員が将来受け取る年金額を想定利回りを使って計算し、その金額を基に掛金の額を決定します。また、加入者にとっても、想定利回りは自分の老後資金計画を立てる上で重要な指標となります。想定利回りを参考に、目標とする年金額を達成するために必要な毎月の積立額や、取るべき運用方法などを考えることができます。想定利回りはあくまでも予想値であり、実際の運用成果が想定利回りを上回ることもあれば、下回ることもあります。想定利回りは定期的に見直す必要があり、市場環境の変化に応じて適切な値に調整することが大切です。