マーケットメイク

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国債

債券取引の柔軟性:差替えとは

債券の売買において、『差替え』という仕組みがあります。これは、売る側が買う側の承諾を得た上で、売買契約後に実際に引き渡す債券を、当初予定していたものとは別の債券に変更できるというものです。この仕組みは、債券市場全体の活発さを高め、売る側の資金運用をよりスムーズにするという大切な役割を担っています。 具体的に見ていきましょう。例えば、ある債券を売る約束をした後、売る側が同じ種類の債券を別の取引で売却する必要が生じたとします。この場合、当初売る約束をしていた債券は、既に手元に残っていないかもしれません。このような状況で『差替え』の仕組みが役立ちます。売る側は買う側の同意を得ることで、約束していた債券の代わりに、別の債券を売却することができるのです。これにより、売る側は手元にない債券を売却しなければならないという窮地を避け、スムーズに資金を運用することが可能になります。 また、買う側にもメリットがあります。差替えに同意することで、取引が確実に継続される可能性が高まるからです。もし差替えができなければ、売る側は債券を用意できず、取引が中止になるかもしれません。しかし、差替えを認めることで、取引の中止というリスクを減らし、安定した取引を実現できるのです。このように、『差替え』は売る側と買う側の双方にとってメリットがあり、債券市場の円滑な運営に欠かせない仕組みと言えるでしょう。
株式投資

証券会社との直接取引:プリンシパル取引とは?

株式投資を始めるにあたって、証券会社を利用して株を売買しますが、売買の方法には様々な種類があります。その中で、「プリンシパル取引」という売買方法をご存知でしょうか。 通常、証券会社は、顧客から株の売買注文を受けると、それを取引所に取り次ぐ仲介人のような役割を果たします。しかし、プリンシパル取引では、証券会社自身が顧客の取引相手となります。顧客が株を売りたい場合は証券会社が買い取り、顧客が株を買いたい場合は証券会社が自分の保有株を売却するのです。 このプリンシパル取引は、証券会社が自ら売買の相手方となるため、顧客は取引所が開いている時間帯以外でも取引できる場合があります。例えば、夜間や早朝でも取引できる可能性があり、これはメリットの一つと言えるでしょう。また、取引価格が事前に確定しているため、売買注文を出した後に価格が変動するリスクを回避できます。 一方で、注意すべき点もあります。証券会社は利益を得るために、売値と買値に差を設けています。この差のことを「スプレッド」と言います。スプレッドは証券会社によって異なり、顧客にとってのコストとなります。スプレッドが大きい場合、利益を得にくくなるため、事前に確認することが大切です。 さらに、プリンシパル取引では、証券会社が提示する価格でしか売買できないため、取引所での取引と比べて価格が不利になる可能性があります。取引所では、その時々の需要と供給によって株価が変動し、より有利な価格で取引できるチャンスがありますが、プリンシパル取引ではそれができません。 このように、プリンシパル取引にはメリットとデメリットの両方があります。どのような取引形態が自分に合っているのかを理解し、それぞれのメリット・デメリットを比較検討した上で、利用するかどうかを判断することが大切です。