購買力平価説:為替レートの謎を解く
物価と為替は、切っても切れない密接な関係にあります。この関係性を説明する代表的な理論として、購買力平価説というものがあります。これは、様々な国で同じ商品やサービスが同じ価格で購入できるように為替レートが調整されるはずだという考え方です。
具体的な例を挙げてみましょう。日本で100円のハンバーガーが、アメリカでは1ドルだとします。この場合、購買力平価説によれば、1ドル100円という為替レートが均衡点、つまり適正な為替レートとなります。もし日本の物価が上昇して、ハンバーガーが150円になったとしましょう。すると、購買力平価説に従えば、為替レートは1ドル150円に調整されることで、日米間のハンバーガーの価格差が解消されると考えられます。
つまり、ある国の物価が上昇すると、その国の通貨の価値は下落するのです。反対に、物価が下落すると、通貨の価値は上昇すると考えられます。これは、基本的な経済原理に基づいています。
ただし、現実の世界では、為替レートは購買力平価説だけで決まるわけではありません。金利差や経済成長率、政治的な要因など、様々な要素が為替レートに影響を与えます。しかし、長期的な為替レートの変動を理解する上では、購買力平価説は重要な枠組みを提供してくれます。物価と為替の密接な関係性を理解することは、国際経済の動向を把握する上で不可欠と言えるでしょう。