外貨預金で損失?ベア・トラップにご用心!
「ベア・トラップ」とは、まるで熊を捕まえる罠のように、値下がりに賭けた投資家を罠にかけ、損失を与える市場の動きのことです。
株や為替などの取引市場では、価格が上がり続ける「上昇トレンド」と、価格が下がり続ける「下降トレンド」があります。下降トレンドの際に、さらに価格が下がると予想して売りの注文を入れる投資家がいます。しかし、一時的に価格が下がった後に、突然、価格が急上昇することがあります。これがベア・トラップです。
例えば、ある国の通貨が値下がり傾向にあるとします。この時、さらに値下がりすると考えてその通貨を売る注文を出したとしましょう。もし、一時的に値下がりした直後に、予想外に急激な値上がりになった場合、売りの注文を出していた投資家は大きな損失を抱えることになります。これが、下降トレンドに乗ろうとした投資家が、まるで熊を捕まえる罠にかかったように損失を被る「ベア・トラップ」です。
外貨預金でも、このベア・トラップは発生する可能性があります。円を外貨に換えて預金した場合、預金していた外貨を円に戻す際に、為替レートの変動によって、当初よりも円に戻せる金額が少なくなってしまうことがあります。これは、外貨の価値が下がった、つまり円高になったことを意味します。もし、円高になるタイミングでベア・トラップが発生すると、損失がさらに拡大する可能性があります。
ベア・トラップのリスクを減らすためには、過去の値動きを分析したり、経済指標を確認したりするなど、慎重な判断が重要です。市場の動きを予測することは非常に難しいため、常にリスクを意識し、損失を限定するための対策を検討しておく必要があります。