FF市場:米国の短期金融市場
銀行同士がお金を貸し借りする場、それが連邦準備制度市場です。これは、アメリカの銀行がお互いに資金を融通する短期金融市場のことを指します。銀行は、毎日お客様からの預金の出し入れや、企業への融資などを行っています。これらの業務によって、銀行が中央銀行に預けているお金、つまり準備預金の量は常に変動します。
銀行には、法律で定められた一定量の準備預金を保有する義務があります。もし、日々の業務で準備預金が不足した場合、銀行はどうするのでしょうか?そのような時に活躍するのが、この連邦準備制度市場です。準備預金が足りない銀行は、この市場で他の銀行からお金を借りることができます。翌日返済を条件とした短期の借り入れが中心なので、不足分を迅速に補うことが可能です。逆に、準備預金に余裕がある銀行は、この市場で他の銀行にお金を貸し出すことで、余剰資金を運用し利益を得ることができます。
このように、連邦準備制度市場は、銀行が日々の資金繰りを円滑に行う上で重要な役割を担っています。毎日、莫大な金額のお金のやり取りが行われており、その動きはアメリカの金融市場全体を左右するほどの影響力を持っています。この市場での金利は、他の短期金利の指標となるため、市場関係者はその動向を常に注視しています。金利の変動は、企業の資金調達コストや個人の住宅ローン金利にも影響を与えるため、経済全体にも大きな波及効果をもたらします。つまり、連邦準備制度市場は、アメリカ経済の心臓部と言える重要な市場なのです。