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経済知識

固定相場制:安定とリスク

固定相場制とは、自国のお金の価値を他国のお金や金の価値に合わせる制度です。これは、国と国との間のお金の交換比率を一定に保つことで、貿易や投資を安定させることを目指しています。まるで天秤のように、自国のお金の価値を常に一定の重さに保つイメージです。 普段私たちがよく耳にするのは、需要と供給で価格が決まる変動相場制です。しかし、固定相場制では、需要と供給で交換比率が変わることはありません。その代わりに、各国の中央銀行がお金の売買を行い、交換比率を一定に維持します。例えば、自国のお金の価値が下がりそうになったら、中央銀行が自国のお金を買い支えることで価値を維持します。逆に、自国のお金の価値が上がりそうになったら、自国のお金を売ることで価値を下げ、一定の範囲内に収めます。 この制度は、経済規模が小さく、国際的な金融の影響を受けやすい国でよく用いられます。例えるなら、小舟は大波の影響を受けやすいですが、大きな船は安定して航行できます。固定相場制は、小舟が大きな波に揉まれないように、錨を下ろして安定させるようなものです。急な為替の変動による経済の混乱を防ぎ、物価や雇用を安定させる効果が期待できます。 しかし、固定相場制にもデメリットは存在します。中央銀行は常に為替介入を行う必要があり、多額の外貨準備が必要となります。また、自国の経済状況に合わせて柔軟に金融政策を調整することが難しくなる場合もあります。そのため、固定相場制の採用は、それぞれの国の経済状況を慎重に考慮した上で判断されるべきです。