外貨預金:三尊天井で高値掴みにご用心
値動きの流れを図に表したものを図表と呼びますが、この図表の形から今後の値動きを予想する様々な方法があります。その中でよく知られた方法の一つに「三尊天井」というものがあります。この名前は、値動きの形が人の頭と両肩のように見えることから付けられました。具体的には、値上がりを続け、ある値で頂点に達した後、少し値下がりし、再びほぼ同じ値まで値上がりします。その後もう一度値下がりし、最初の頂点と同じくらいの値まで値上がりした後、値下がりを始めます。この値動きの特徴は、三回目の値上がりで最初の二つの頂点を超えることができないという点です。ちょうど、三つの峰が連なる山の、真ん中の峰が一番高い様子を想像してみてください。この三つの峰が、左肩、頭、右肩に当たります。そして、この三つの峰の底値を結んだ線を「頸線」と呼びます。値動きがこの頸線を下回ると、値動きの向きが変わり、値下がり傾向に転換する合図と判断されます。三尊天井は値上がり相場の天井で出現しやすく、比較的信頼性の高い反転シグナルとして知られています。ただし、三尊天井のパターンが完成するまでには時間がかかるため、頸線を下回った時点では既に大きく値下がりしている可能性もあります。また、必ずしも教科書通りのきれいな形で現れるとは限らないため、他の指標と組み合わせて分析することが重要です。値動きの勢いや取引量なども参考にしながら、慎重に判断するようにしましょう。さらに、三尊天井によく似た形として「逆三尊」があります。これは三尊天井が上下反転した形で、値下がり相場の底で出現します。値動きが頸線を上回ると、値上がり傾向に転換する合図と解釈されます。これらの図表の形を理解することは、値動きの変化をいち早く捉え、的確な売買判断を行う上で役立ちます。