短期国債(TB)入門
短期国債は、政府が資金を調達するために発行する債券の中で、償還期限が一年以内のものを指します。別名、財務省短期証券とも呼ばれています。償還期限が短いため、国が一時的に資金不足になった際に発行されます。例えば、既に発行済みの国債の償還日が迫っている、あるいは新たな政策を実行するために一時的に資金が必要となった場合などに、短期国債が活用されます。
短期国債は、投資家にとって比較的安全な投資先と見なされています。これは、発行主体が国であるため、元本や利息の支払いが滞る可能性が低いからです。そのため、短期的に資金を運用したい投資家にとって、短期国債は魅力的な選択肢となります。株式投資などに比べて価格変動のリスクが小さいため、安心して資金を預けることができます。また、発行額が大きく、市場も活発なため、換金性が高いというメリットもあります。必要な時にすぐに換金できるため、急な出費にも対応できます。
短期国債は、一般的に額面よりも低い価格で購入し、満期日に額面価格で償還されます。この差額が投資家の利益となります。また、利息の支払いはありません。満期保有すれば額面価格での償還が保証されているため、利息収入を得る目的ではなく、安全性の高い短期運用を目的とする投資家に適しています。さらに、短期国債は発行市場と流通市場があり、発行市場では国債市場特別参加者と呼ばれる金融機関を通じて購入できます。一方、流通市場では証券会社を通じて売買することが可能です。このように、入手方法も確立されているため、投資しやすい商品と言えるでしょう。