ディーラー業務のすべて
証券会社が行うディーラー業務とは、自社の資金を使って有価証券を売買し、その差益で利益を得る業務のことを指します。お店で商品を仕入れて販売する商売と同じように、証券会社が自ら株式や債券などの有価証券を売買し、利益を追求するのです。この業務は自己売買業務とも呼ばれ、証券会社の主要な業務の一つです。
証券会社は、顧客からの依頼を受けて有価証券の売買を仲介する業務も行っています。これは仲介売買業務と呼ばれ、顧客の注文に基づいて売買を成立させることが目的です。一方、ディーラー業務は証券会社自身がお客さんとなって売買を行うため、仲介売買業務とは大きく異なります。
ディーラー業務では、まるで市場で他の投資家と競うように、価格の変動を見極める必要があります。安く買って高く売るという基本的な商売の原則に基づき、市場の状況を的確に予測し、売買のタイミングを判断することが求められます。そのため、市場の動向に関する深い知識や分析力、そして的確な判断力が重要になります。
さらに、ディーラー業務にはリスクが伴います。価格変動によって損失が出る可能性もあるため、リスク管理能力も重要です。想定外の事態が発生した場合でも、損失を最小限に抑えるための対策を講じる必要があります。市場の急激な変動や経済状況の悪化など、様々な要因を考慮し、慎重かつ迅速な対応が求められる、非常に専門性の高い業務と言えるでしょう。