スリッページ:投資における価格変動リスク
スリッページとは、売買注文を出した時と実際に約定した時の価格の差のことです。
例えば、ある商品の値段が1つ100円だとします。あなたは100円で10個買う注文を出しました。しかし、実際に買い注文が成立した(約定した)時には、商品の値段が1つ101円になっていたとしましょう。この場合、あなたは1つあたり1円多く支払うことになり、合計で10円の差が生じます。これがスリッページです。
では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。それは、商品の値段は常に変動しているからです。あなたの注文が出されてから、実際に売買が成立するまでの短い間に、他の多くの売買が行われ、価格が変化してしまうのです。特に、多くの人が一斉に売買を行うような活発な市場では、価格の変動も激しくなり、スリッページも大きくなりやすい傾向があります。
スリッページは、売買注文の方法によっても影響を受けます。「成行注文」といって、値段を指定せずに「この値段で買ってください」とだけ伝える注文方法の場合、価格は市場の状況次第で決まるため、スリッページが大きくなる可能性があります。一方、「指値注文」といって、買いたい値段をあらかじめ指定する注文方法では、指定した価格以上では買わないため、スリッページをある程度抑えることができます。ただし、価格の変動が激しく、指定した価格で取引が成立しない場合、注文が成立せず、取引の機会を逃す可能性も出てきます。
スリッページは、投資をする上で避けることが難しいものです。しかし、スリッページの仕組みを理解し、注文方法や市場の状況を考慮することで、スリッページによる損失を少なくするように工夫することは可能です。
例えば、市場が大きく動いている時は、少し様子を見てから注文を出す、指値注文を活用するなど、様々な方法でスリッページへの対策をすることができます。スリッページを正しく理解し、リスク管理を行うことが、投資で成功するための大切な一歩と言えるでしょう。