外貨預金とキチンの波
物価の上がり下がり、仕事の増減といった経済活動は、波のように周期的に変化します。その周期には長いものもあれば短いものもあり、様々な種類が存在します。中でも「キチンの波」と呼ばれるものは、短い周期で起きる景気の波のことを指します。およそ40ヶ月、言い換えると3年4ヶ月ほどの期間で、一循環します。この波は、アメリカの経済学者、ジョセフ・キチンによって発見されたため、彼の名前にちなんで「キチンの波」と呼ばれています。
では、一体何がこのキチンの波を起こすのでしょうか?主な原因は、商品の在庫量の変動だと考えられています。会社は、将来どれくらい商品が売れるか予想して、商品を作ったり、在庫として保管したりします。しかし、この予想がうまくいかないと、在庫が多すぎたり、少なすぎたりといった事態が起こります。在庫が多くなりすぎると、会社は商品を作りすぎるのを防ぐため、生産量を減らします。これが景気を悪くする方向に働きます。反対に、在庫が足りなくなると、会社は生産を増やして在庫を確保しようとします。これが景気を良くする方向に働きます。このように、在庫を調整する過程が、およそ40ヶ月周期のキチンの波を生み出していると考えられています。
キチンの波は、他の景気の波と比べると、周期が短く、変化の幅も小さいため、見過ごされがちです。しかし、短期的な経営計画や投資の判断においては、キチンの波を理解することがとても大切です。特に、在庫管理は会社にとって重要な課題です。キチンの波を意識することで、無駄のない在庫管理を実現し、会社の業績を良くすることに繋がります。キチンの波をうまく活用することで、会社の経営を安定させ、成長へと繋げることができるのです。