オーバーアロットメント

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株式投資

シンジケートカバー取引とは何か

新しく発行される株や、すでに発行されている株を追加で売り出す際に、人気が集まりそうだと予想される場合に使われるのが、シンジケートカバー取引と呼ばれる方法です。 まず、証券会社は投資家からの需要を予測します。そして、会社が売り出そうとしている株数よりも多めに、投資家に株を販売しようとします。これをオーバーアロットメントといいます。この時、証券会社は一時的に株を売る約束をしすぎて、実際に持っている株数よりも多く売る約束をしている状態になります。これを売り越し状態、もしくはショートポジションといいます。 株の申し込み期間が終わった後、最長30日以内に、証券会社は市場で株を買い戻して、この売り越し状態を解消します。これがシンジケートカバー取引です。 もし、実際に投資家から集まった申し込みが、証券会社が予想した数よりも少なかった場合は、売れ残った株を証券会社が買い取ることになります。 しかし、予想通り、もしくは予想よりも多くの投資家から申し込みがあった場合は、シンジケートカバー取引によって市場から株を買い戻し、売り越し状態を解消します。この方法のおかげで、株価の急な値上がりを抑え、市場を安定させる効果が期待できます。また、多くの投資家に株が行き渡るため、市場の流動性向上にも繋がります。 このように、シンジケートカバー取引は、新規の株発行や追加の株売り出しを円滑に進めるための重要な仕組みといえます。
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オーバーアロットメント:株式投資の仕組み

新規公開株(IPO)や公募増資などで、企業が広く資金を集める際、証券会社を通して株を売る時に、あらかじめ決めていたよりも多くの株を売ることができる仕組みがあります。これをオーバーアロットメントといいます。この仕組みは、投資家からの株の需要が、企業や証券会社が予想していたよりもずっと高かった場合に、市場に供給する株の数を増やすことで、株価の急な値上がりを抑え、安定させることを目的としています。 株の売り出しは、主幹事証券会社と呼ばれる中心となる証券会社が、他の複数の証券会社と協力して行います。これらの証券会社は、発行会社から株を買い取り、投資家に販売することで利益を得ています。オーバーアロットメントの場合、主幹事証券会社は、発行会社から委託された株の他に、最大で発行株数の15%まで多く株を売る権利を持っています。この追加で売ることができる株のことをオーバーアロットメントといいます。 仮に、ある企業が100万株の新株を発行し、主幹事証券会社が15%のオーバーアロットメントを設定した場合、主幹事証券会社は最大で115万株まで売ることができます。もし需要が非常に高く、115万株すべてが売れた場合、主幹事証券会社は発行会社から買い取った100万株に加え、不足分の15万株を市場で買い戻すか、もしくは発行会社に追加で15万株を発行してもらうことで投資家に株を届けます。もし需要がそれほど高くなく、100万株しか売れなかった場合は、オーバーアロットメントは行われず、当初の計画通りとなります。このように、オーバーアロットメントは、株価の安定化に役立つと同時に、証券会社にとっては販売機会の拡大、発行会社にとってはより多くの資金調達の可能性につながる仕組みといえます。