FRB:アメリカの金融政策を担う組織
アメリカの中央銀行制度、連邦準備制度(略称連準)の司令塔である連邦準備制度理事会(略称連準理事会)は、国の経済の舵取り役として、物価の安定と雇用機会の最大化という二つの大きな目標を掲げています。物価の安定とは、急激な物価の上昇や下落を抑え、人々の暮らしを守ることです。また、雇用の最大化とは、より多くの人が仕事に就けるよう、経済活動を活発化させることを意味します。
連準理事会は、政府から独立した組織として運営されています。これは、目先の利益にとらわれたり、政争に巻き込まれたりすることなく、長期的な視点で国の経済にとって最善の判断ができるようにするためです。理事会の構成員は、大統領が選び、上院の承認を得て任命される7名の理事です。一度任命されると、14年の長期にわたって職務に当たります。これは、短期的な政治的な思惑に左右されることなく、腰を据えて政策に取り組めるようにするための工夫です。
さらに、全国には12の連邦準備銀行が設置されています。これらの銀行は、それぞれの地域の経済状況を細かく調査し、その情報を連準理事会に報告する役割を担っています。各地域の経済の実情を把握することで、より的確な政策判断が可能になります。
このように、連準理事会と連邦準備銀行が協力して、アメリカ経済の安定に尽力しています。アメリカは世界経済を牽引する大きな存在であるため、連準理事会の政策決定は、世界中の市場関係者から注視されています。特に、連準議長の声明や政策発表は、金融市場の動向を大きく左右する可能性があるため、常に世界中から注目を集めています。