買収

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分析

企業価値を見極める:デューデリジェンスの重要性

会社にお金を出す、あるいは会社と会社が一緒になる、一つの会社が他の会社を買い取るといった大きな出来事では、必ず相手のことをきちんと調べなければなりません。この調査は、まるで医者が患者さんを診察するように、会社のあらゆる部分を詳しく調べます。この調査のことを「デューデリジェンス」と言います。 デューデリジェンスは会社の健康診断のようなものです。会社の懐具合、仕事の内容、法令を守っているかといったあらゆる面を様々な角度から調べます。会社の財務状況が良いか悪いか、きちんと儲けているか、借金はどのくらいあるか、将来どれくらい儲かりそうかなどを綿密に調べます。また、どのような仕事をしているのか、どのような商品やサービスを売っているのか、競争相手は誰か、将来どのような事業展開を考えているのかなども分析します。 法令をきちんと守っているかも重要な調査項目です。過去に法令違反をしていないか、現在も法令遵守の体制が整っているかなどを確認します。もし、法令違反のリスクがあれば、将来大きな損失につながる可能性があります。 デューデリジェンスを行うことで、投資判断の正確さを高め、危険を少なくすることができます。例えば、一見すると儲かっているように見える会社でも、デューデリジェンスによって隠れた問題が見つかるかもしれません。反対に、あまり目立たない会社でも、デューデリジェンスによって大きな成長の可能性が見つかることもあります。 デューデリジェンスは、いわば航海の羅針盤のようなものです。投資という航海において、正しい方向へ導き、安全に目的地へ到着するために欠かせないものなのです。ですから、投資を成功させるためには、デューデリジェンスを徹底的に行うことが非常に大切です。
株式投資

うわさに乗る投資の落とし穴

うわさ投資とは、企業の合併や買収といった、まだ正式に発表されていない情報に基づいて、株や通貨などの金融商品を売買する投資方法です。買収される側の企業の株価は、買収が成立すれば買収価格に近づく傾向があるため、うわさが広まる前に株を購入しておけば、大きな利益を得られる可能性があります。しかし、うわさ投資は、その名のとおり、うわさに基づいているため、高い危険性を伴う投資方法です。 うわさが真実であれば大きな利益を得られる可能性がありますが、うわさが偽りであった場合、株価は下落し、大きな損失を被る可能性があります。そのため、うわさ投資を行う際には、うわさの真偽や市場の動きを注意深く見極める必要があります。うわさの出どころや、そのうわさを裏付ける他の情報などを確認することで、うわさの信ぴょう性をある程度判断することができます。また、市場全体の動向や、関連企業の株価の動きなども参考にするべきです。 うわさ投資を行う上での重要な点の一つは、投資に使うお金の管理です。うわさ投資は、高い利益と高い危険が表裏一体となっている投資方法なので、損失を最小限に抑えるために、生活に必要なお金には手を付けず、余剰資金の範囲内で行うべきです。また、一つのうわさにすべてのお金を投資するのではなく、複数の銘柄に分散投資することで、危険を減らすことができます。さらに、損失を限定するための注文方法を活用することも有効な手段です。例えば、あらかじめ損失額の上限を設定しておくことで、想定外の事態が発生した場合でも、損失を一定の範囲内に抑えることができます。 最後に、うわさ投資は常に高い危険を伴うことを忘れてはいけません。うわさだけで投資判断を行うのではなく、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析といった、他の投資手法も組み合わせることで、より確実な投資判断を行うように心がけましょう。常に冷静な判断を心がけ、市場の状況を把握し、適切な投資判断を行うことが、うわさ投資で成功するための鍵となります。
経営

LBOによる企業買収

企業買収の手法の一つに、借り入れによる買収、いわゆるエル・ビー・オーがあります。 これは、少ない自己資金で大きな会社を買い取る方法です。では、どのように少ないお金で大きな買い物を可能にするのでしょうか。 エル・ビー・オーでは、買収する側の会社は、買収される側の会社の資産を担保にして、銀行からお金を借りたり、社債を発行してお金を調達します。つまり、他人の財産を借り入れる保証にして、買収資金の大部分を集めるのです。 この方法だと、自分のお金はほんの少ししか必要ありません。まるで、てこを使って重いものを持ち上げるように、小さな力で大きなものを動かすことができます。このことから、てこを意味する「レバレッジ」という言葉が使われています。 買収後、どのように借金を返すのでしょうか。買収された会社が生み出す利益や、会社の資産を売却することで得たお金で、返済していきます。もちろん、計画通りに利益が出なかったり、資産が売れなかったりするリスクも存在します。 エル・ビー・オーは、短期間で大きな利益を生み出す可能性を秘めていますが、同時に大きな危険も伴う、諸刃の剣のような手法と言えるでしょう。綿密な計画と慎重な実行が不可欠です。