債券取引と利含み価格の理解
債券投資を行う上で、「利含み」という言葉を理解することは非常に大切です。利含みとは、簡単に言うと、債券の所有者が受け取る権利のある利息のうち、まだ支払われていない部分のことです。
債券を購入すると、保有期間に応じて利息が支払われます。この利息は、あらかじめ決められた期日にまとめて支払われます。例えば、半年ごとに利息が支払われる債券の場合、6ヶ月分の利息がまとめて支払われます。しかし、債券の売買は、この利払日以外にも行われています。
利払日の途中で債券を売買する場合、前回の利払日から売買日までの間に発生した利息は、売主が受け取る権利を持っていると考えられます。しかし、まだ利払日ではないため、売主は実際に利息を受け取っていません。この、まだ受け取っていない利息が「利含み」です。
債券を売買する際には、この利含みが売買価格に含まれます。つまり、買主は、債券の額面価格だけでなく、この利含みも合わせて売主に支払うことになります。例えば、額面100円の債券を、利含み1円を含めて101円で買うとすると、買主は売主に101円を支払い、次の利払日に1円を受け取ることになります。
逆に、債券を売る場合は、額面価格に加えて利含みも受け取ることができます。そのため、債券の価格は、額面金額だけでなく、利含みの金額も考慮して変動します。利含みを理解することで、債券投資における価格変動の要因をより深く理解することができます。