注目の非在来型石油とは?
従来の石油採掘技術では取り出すのが難しい場所に存在する石油資源は、非在来型石油と呼ばれています。これらの資源は、技術革新や石油価格の上昇といった状況の変化によって、商業生産が可能になることがあります。代表的な非在来型石油には、オイルサンド、オイルシェール、オリノコタールなどがあり、それぞれ特徴が異なります。
まず、オイルサンドは、砂岩の中に瀝青質の重質油が混ざり合ったものです。重質油は粘度が高いため、そのままではパイプラインでの輸送ができません。そのため、高温の蒸気を注入するなどして粘度を下げる必要があります。オイルサンドの埋蔵量は膨大で、特にカナダのアルバータ州に世界最大級の埋蔵地が存在します。オイルサンドの開発には、大規模な設備投資と大量の水が必要となるため、環境への影響も懸念されています。
次に、オイルシェールは、頁岩と呼ばれる堆積岩の中に含まれるケロジェンという物質を加熱することで石油を抽出します。オイルシェールは、アメリカや中国など、世界中に広く分布しています。オイルシェールの開発も環境負荷が大きく、大量の水を使用する上に、二酸化炭素の排出量も多いという課題があります。
最後に、オリノコタールは、ベネズエラに存在する超重質油の一種です。埋蔵量は世界最大級とされていますが、粘度が非常に高く、精製にも高度な技術が必要です。オリノコタールも、オイルサンドと同様に、生産コストが高く、環境への影響が大きいという課題を抱えています。
このように、非在来型石油は、埋蔵量が豊富な一方で、採掘や精製にコストがかかり、環境への負荷も大きいという特徴があります。今後の開発においては、環境保護と経済性のバランスを考慮した技術革新が求められます。