生産者の行動と市場の力学
事業を行う会社にとって、一番大切な目標は、もうけをできるだけ大きくすることです。このもうけは、売上から経費を引いた残りのお金のことを指します。会社が活動を続け、大きく成長していくためには、このもうけが欠かせません。
会社を経営する人たちは、より多くのもうけを得るため、市場をよく観察します。売れ筋の商品や、ライバル会社がどのような商品をいくらで売っているのかなどを詳しく調べます。そして、自社の商品をどれくらい作って、いくらで売れば一番もうけが大きくなるかを考え、計画を立てます。例えば、人気がありそうな商品であれば、たくさん作って少し高めの値段で売るかもしれません。反対に、あまり売れ行きが良くない商品は、作る量を減らしたり、値段を下げたりするでしょう。
このように、会社を経営する人たちは、常に市場の動向に気を配りながら、状況に合わせて販売戦略を練り直しています。時には新しい商品を開発したり、販売方法を変えたりすることもあります。
このような、もうけを一番に考える行動は、実は市場全体にとって良い影響を与えます。多くの会社が、より良い商品をより安く提供しようと競争することで、消費者は良い商品を安く手に入れることができるようになります。また、資源を無駄なく使うことにもつながります。売れる見込みのない商品に材料や人手を費やすことは、資源の無駄遣いになるからです。会社がもうけを追求することで、結果的に市場全体の活性化や資源の有効活用につながっていくのです。