図表重視の投資手法:チャーチスト
株や為替の世界では、実に様々な情報が飛び交っています。会社の業績や景気の良し悪し、政治の動きなど、投資の判断材料は数えきれません。しかし、中には図表を重視する投資家もいます。彼らは過去の値動きが記された図表こそが、あらゆる情報を映し出す鏡だと考えているのです。まるで過去の航跡を記した海図から、未来の航路を予測する熟練の船乗りのように、図表の中に隠された市場の秘密を探ろうとしています。
なぜ、彼らはそれほどまでに図表を重視するのでしょうか。それは、市場参加者の心理や思惑が、図表には全て表れていると信じているからです。例えば、ある株の値動きが急上昇したとします。この時、図表には単なる値動きだけでなく、投資家たちの熱狂や期待感までもが反映されていると考えられます。逆に値動きが急降下した場合には、投資家たちの不安や失望が見て取れるはずです。
図表分析では、過去の値動きのパターンや傾向を読み解くことで、未来の値動きを予測します。過去の値動きが一定期間ごとに繰り返される場合、それを周期と呼びます。また、値動きが一定の方向に進む場合は傾向として捉えます。これらの周期や傾向を分析することで、売買の時期を判断する材料とします。
図表分析は、未来を確実に予測できる魔法の道具ではありません。しかし、過去の市場の動きを知ることで、現在の市場をより深く理解するための助けとなります。多くの情報に惑わされることなく、市場の心理を読み解く一つの手段として、図表分析は有効な方法と言えるでしょう。