債券投資と償還差益の関係
「償還差益」とは、債券への投資で得られる利益の一つで、簡単に言うと、安く買って高く売ることで生まれるもうけのことです。債券は、いわば企業や国にお金を貸す証書のようなものです。発行時にあらかじめ決められた価格(額面価格)があり、満期日になると、この額面価格で貸したお金が返済されます。
もし、この額面価格よりも低い価格で債券を買えた場合、満期日に額面価格で返済されると、その差額が利益になります。これが償還差益です。例えば、額面価格100円の債券を90円で買ったとします。満期日には100円で返済されるので、10円の利益が出ます。これが償還差益の10円にあたります。
反対に、額面価格よりも高い価格で債券を買ってしまうと、満期日に額面価格で返済された時に、その差額が損失になります。これを償還差損といいます。同じように、額面価格100円の債券を110円で買ったとします。満期日には100円で返済されるので、10円の損失が出ます。これが償還差損にあたります。
このように、償還差益を得るためには、額面価格よりも低い価格で債券を買うことが重要です。債券の価格は市場の需給によって変動するため、日頃から市場の動向を注視し、適切なタイミングで購入することが大切です。また、償還差益は債券投資における重要な収益源の一つですが、債券には利子もつくため、償還差益と利子を合わせて投資の収益性を判断する必要があります。さらに、債券発行体の信用力なども考慮に入れ、リスクとリターンを比較検討した上で投資判断を行うことが重要です。