予想変動率

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予想変動率で市場を読む

予想変動率は、将来の金融商品の価格の上がり下がりの大きさを予想した数値です。株式や債券、為替など様々な金融商品に適用され、将来の価格の振れ幅がどの程度になるのかを予測するために用いられます。よく似た言葉にヒストリカル・ボラティリティというものがありますが、これは過去の値動きを元に計算されます。一方で、予想変動率はオプション価格を逆に計算することで算出されます。 では、オプションとは一体何でしょうか。オプションとは、将来のある時点で、あらかじめ決めた価格で、株などの商品を買う、あるいは売る権利のことです。この権利のことをオプションと呼び、オプションを買うことで将来の価格変動リスクに備えることができます。オプションの価格は、様々な要因で変動します。例えば、株自体の価格、あらかじめ決めた価格、権利が使える期限までの時間、銀行の利子などです。そして、予想変動率もこのオプション価格に影響を与える要因の一つです。 予想変動率が高い場合は、オプション価格は高くなります。これは、将来の価格変動が大きいと予想されると、オプションの価値が高まるためです。反対に、予想変動率が低い場合は、オプション価格は安くなります。つまり、オプション価格には、市場の参加者たちの将来の価格変動に対する予想が織り込まれているのです。そのため、予想変動率を分析することで、市場全体の雰囲気や将来の価格の動きを掴むことができると言えます。予想変動率は、投資家が将来の市場をどう見ているかを知るための重要な手掛かりとなるのです。
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予想変動率:IVの基礎知識

予想変動率とは、将来の値動き幅の見込みを数値化したものです。株式や債券、為替など、オプション取引の対象となる資産(原資産)の価格が、今後どの程度変動すると市場が考えているかを示す指標です。 この予想変動率は、インプライド・ボラティリティ(IV)とも呼ばれ、オプション価格から逆算して算出されます。つまり、オプションの価格は、市場参加者が将来の価格変動をどう予測しているかを反映しているため、そこから予想変動率を導き出すことができるのです。 予想変動率が高い場合は、市場が将来の価格の大きな変動を見込んでいることを意味します。反対に、予想変動率が低い場合は、市場は価格が比較的安定的に推移すると予想していることになります。値動きが大きくなると予想される場合は、オプションの価格は高くなり、値動きが小さいと予想される場合は、オプションの価格は安くなります。これは、価格変動リスクに対する市場の需要を反映しているためです。 過去の予想変動率の推移を調べることで、市場心理の推移や将来の価格変動の傾向をある程度把握することができます。しかし、予想変動率はあくまで市場の予想に基づく数値であり、将来の価格変動を保証するものではありません。実際の値動きは、様々な要因によって影響を受け、予想とは異なる結果になる可能性も十分にあります。したがって、予想変動率は投資判断を行う上での一つの材料として活用するべきであり、絶対的な指標として過信すべきではないことを理解しておく必要があります。市場の状況を総合的に判断し、慎重な投資行動を心がけることが大切です。