ロールオーバーで資産運用を円滑に
{期限付きの金融商品などを、満期を迎える前に新たな契約へと切り替える}ことを、乗り換え、と言います。これは、まるで電車を乗り継いで目的地へ向かうように、同じ種類の商品を持ち続けるための方法です。
例として、満期のある商品券を考えてみましょう。商品券には有効期限があります。期限が切れる前に、新しい商品券に交換すれば、引き続き買い物を楽しむことができます。これは簡単な乗り換えの例です。
金融の世界では、先物取引などで、この乗り換えがよく使われます。先物取引とは、将来のある時点で、あらかじめ決めた価格で商品を売買する契約です。例えば、3ヶ月後に1トンのお米を10万円で買うという契約を結んだとします。この契約には3ヶ月という期限があります。期限が来ると契約は終了します。しかし、もし3ヶ月後以降もお米を持ち続けたい場合はどうすれば良いでしょうか。その場合、新たな先物契約を結びます。例えば、6ヶ月後に1トンのお米を11万円で買う、といった具合です。前の契約が満期になる前に、次の契約を結ぶことで、途切れることなくお米を持ち続けることができます。これが先物取引における乗り換えです。
なぜ乗り換えが必要なのでしょうか?先物取引では、満期の度に、実際に商品を受け渡ししたり、決済を行う必要があります。もし大量のお米を取引している場合、毎回の受け渡しは大変な手間になります。倉庫を借りたり、輸送の手配をしたりと、多くの費用と労力がかかります。そこで、乗り換えを利用することで、これらの手間を省き、スムーズに取引を続けることができるのです。
このように乗り換えは、金融商品を継続して保有するための便利な仕組みであり、様々な取引で活用されています。