キャリートレードで利益を狙う
お金を借りる利率が低い国でお金を借り、利率が高い国で運用して利益を得る方法について説明します。これを金利差取引といいます。
例えば、日本の銀行から年1%の利率でお金を借り、それをアメリカの銀行に年5%の利率で預金したとします。この場合、4%分の利率の差が利益となります。もし、1億円を借りて運用すれば、1年間で400万円の利益を得られる計算になります。
このように、利率の低い国からお金を借り、利率の高い国に預けるだけで利益が得られるように見える、とても簡単な仕組みに思えます。しかし、落とし穴があります。それは為替の変動です。
円とドルの為替レートが変動すると、利益に大きな影響を与えます。例えば、1ドル=100円の時に1億円をドルに両替してアメリカに預金したとします。1年後、5%の利息がついて1億500万円になりますが、この時、もし円高ドル安になって1ドル=90円になっていたとしたら、円に両替すると9450万円になってしまい、借りた1億円より少なくなってしまいます。逆に、1ドル=110円になっていれば、1億1550万円になり、大きな利益を得られます。
つまり、金利差取引は、二つの国の利率の差だけでなく、為替レートの変動も考慮に入れる必要がある、少し複雑な取引なのです。金利差が大きくても、為替レートの変動で損をする可能性もあるため、注意が必要です。金利差取引を行う際は、常に為替の変動リスクを意識し、慎重な判断が必要です。