為替の予想変動率:インプライド・ボラティリティ
予想変動率とは、将来の値動き幅の予想を示す数値です。よく似た言葉に過去の値動きから算出する実現変動率がありますが、予想変動率はオプション取引の価格から計算されます。オプション取引とは、将来のある時点で、あらかじめ決めた価格で商品や金融商品を売買する権利を取引するものです。この権利の価格は、将来の値動きが大きいと予想されるほど高くなります。つまり、オプション価格には市場参加者の将来の値動きに関する見通しが織り込まれているのです。そのため、予想変動率は市場の将来予測を反映した指標と言えるでしょう。
予想変動率は、数値が高いほど、将来の価格変動が大きいと予想されていることを示します。例えば、ある商品の予想変動率が高い場合、市場はその商品の価格が大きく上下すると考えていることになります。逆に、予想変動率が低い場合は、価格は安定的に推移すると予想されていることを意味します。
この予想変動率は、様々な場面で役立ちます。オプション取引を行う投資家は、この数値を参考に将来の損得を見積もることができます。また、市場全体の雰囲気を掴むのにも役立ちます。市場心理の動きを反映するため、予想変動率の推移を注視することで今後の市場動向を予測するヒントとなり得ます。急激な上昇は市場の不安を示唆し、急激な下落は市場の安心感を示唆する可能性があります。このように、予想変動率は市場を理解するための重要な指標なのです。