投資信託の総合収益力を知る
投資の初心者
先生、投資信託のトータルリターンがよく分かりません。計算式は分かるのですが、具体的にどんな時に使うのでしょうか?
投資アドバイザー
いい質問ですね。トータルリターンは、投資信託に投資した結果、最終的にどれだけの利益または損失が出たかを確認するために使います。例えば、評価金額が下がっていたとしても、分配金を受け取っていれば、損失が少なくなっている、もしくは利益が出ている可能性もあるわけです。
投資の初心者
なるほど。つまり、現在の評価額だけを見て一喜一憂するのではなく、投資信託全体での損益を把握するために使うのですね。
投資アドバイザー
その通りです。分配金も再投資に回していれば、その効果も分かりますし、複数回の購入や売却を行った場合でも、投資信託全体の成績を評価できます。投資信託を選ぶ際や、保有している投資信託の成績を確認する際に、ぜひ活用してみてください。
投資信託のトータルリターンとは。
投資信託を買ってから今までの儲けや損を全部ひっくるめたものを『投資信託のトータルリターン』と言います。この中には、投資信託からもらったお金(分配金)も含まれています。トータルリターンは、次の計算で求めます。(今の投資信託の値段)+(今までにもらった分配金の合計)+(今までに売った時の値段の合計)ー(今までに買った時の値段の合計)
総合収益とは
投資信託にお金を投じてから、今に至るまでの利益全体を総合収益と言います。これは、投資信託の値上がりで得た利益や値下がりで被った損だけでなく、投資している間に受け取った分配金も全て含めたものです。総合収益をきちんと把握することで、投資信託でどれだけの成果を上げているのかをより正確に判断できます。
投資信託とは、株式や債券など様々なものに投資することで、危険を分散させながら、長い目で見て財産を増やすことを目的とした金融商品です。その成果は、投資期間中の価格の上がり下がりや受け取った分配金によって変わってきます。ですから、総合収益を調べることで、投資信託の成果全体を理解することができるのです。
例えば、ある投資信託に百万円を投資したとしましょう。今の評価額が百十万円で、投資している間に十万円の分配金を受け取っていたとします。この場合、総合収益は百十万円(今の評価額)に十万円(分配金)を足し、そこから百万円(最初に投資したお金)を引いた二十万円となります。つまり、この投資信託に投資したことで二十万円の利益が出たということです。
総合収益は、投資信託の運用成績を測る上で重要な指標の一つです。投資信託を選ぶ際や、既に保有している投資信託の評価をする際に、ぜひ総合収益を参考にしましょう。これにより、より良い投資判断を行うことができるでしょう。また、総合収益は過去の運用成果を表すものであり、将来の成果を保証するものではないことにも注意が必要です。
項目 | 説明 | 計算式 | 例 |
---|---|---|---|
総合収益 | 投資信託の値上がり益、値下がり損、分配金など全てを含めた利益全体。 | 総合収益 = 現在の評価額 + 分配金の合計 – 投資元本 | (110万円 + 10万円) – 100万円 = 20万円 |
現在の評価額 | 現在の投資信託の価値。 | – | 110万円 |
分配金の合計 | 投資期間中に受け取った分配金の合計額。 | – | 10万円 |
投資元本 | 最初に投資した金額。 | – | 100万円 |
計算方法
お金を運用する成果を計算する方法について、詳しく説明します。
運用成果は「総合収益」として計算されます。総合収益とは、現在の資産の合計額から、これまでの投資額を引いた金額に、受け取った分配金と売却益を足したものです。
総合収益を計算するための式は、次のとおりです。
総合収益 = (評価金額)+(累計受取分配金額)+(累計売付金額)-(累計買付金額)
それぞれの項目について、具体的に説明します。
「評価金額」とは、現在保有している投資信託の時価総額のことです。現在の市場価格で保有資産を評価した金額です。
「累計受取分配金額」とは、投資を始めてから現在までに受け取った分配金の合計額です。投資信託によっては定期的に分配金が支払われる場合があります。
「累計売付金額」とは、投資を始めてから現在までに売却した投資信託の合計額です。利益が出ている時に売却することで、収益を確定できます。
「累計買付金額」とは、投資を始めてから現在までに購入した投資信託の合計額です。投資信託を買い増す場合、この金額に買い増し分が加算されます。
この計算式を使うことで、投資信託の運用成果を正確に把握することができます。投資信託を買い足したり、一部を売却したりした場合でも、それぞれの金額を計算式に当てはめることで、正確な総合収益を計算できます。
また、受け取った分配金を再び投資に回した場合、再投資した金額は「累計買付金額」に含まれますので、注意が必要です。
この計算方法を理解することで、自分の投資成果を正しく評価し、今後の投資戦略を立てるのに役立ちます。
項目 | 説明 |
---|---|
総合収益 | 運用成果の計算結果 |
評価金額 | 現在保有している投資信託の時価総額 |
累計受取分配金額 | 投資を始めてから現在までに受け取った分配金の合計額 |
累計売付金額 | 投資を始めてから現在までに売却した投資信託の合計額 |
累計買付金額 | 投資を始めてから現在までに購入した投資信託の合計額 |
総合収益 = (評価金額)+(累計受取分配金額)+(累計売付金額)-(累計買付金額)
再投資した金額は「累計買付金額」に含まれます。
他の指標との違い
投資信託を選ぶ際、その成果を正しく理解することはとても大切です。よく使われる指標に基準価額と総合収益がありますが、これらは異なる情報を示しています。基準価額は、投資信託の一口あたりの値段を示すものです。株式の価格と同じように、需要と供給によって日々変動します。しかし、投資信託の中には、利益の一部を投資家に分配金として支払うものがあります。分配金が支払われると、その分基準価額は下がります。例えば、基準価額が10,000円で、100円の分配金が出た場合、基準価額は9,900円になります。つまり、基準価額だけを見て比較すると、分配金を受け取ったにも関わらず、損をしたように見えてしまう可能性があります。これに対し、総合収益は分配金を再投資した場合の運用成果を示す指標です。仮に受け取った分配金をすぐに同じ投資信託に再投資したと仮定し、その結果を反映した値になります。そのため、総合収益を見ることで、分配金の有無にかかわらず、投資信託の本来の運用成果を正しく把握できます。具体的には、先ほどの例で、受け取った100円の分配金を再投資し、一口あたりの価格が9,900円のままだった場合、総合収益は10,000円のままとなります。つまり、総合収益は分配金の影響を受けずに、純粋な運用成果を反映しているのです。また、分配金を出さない投資信託もあります。その場合、基準価額の変動がそのまま総合収益となります。このように、総合収益は、投資信託の運用成果をより包括的かつ正確に評価できる指標と言えるでしょう。投資信託を選ぶ際には、基準価額だけでなく、総合収益も確認することで、より適切な判断材料を得ることが出来ます。
指標 | 意味 | 分配金の影響 | 特徴 |
---|---|---|---|
基準価額 | 投資信託一口あたりの価格 | 分配金支払いで減少 | 日々の市場変動を反映 |
総合収益 | 分配金を再投資した場合の運用成果 | 影響を受けない | 投資信託本来の運用成果を反映 |
活用方法
投資で得られた全体の利益を見る指標である総合収益は、様々な活用方法があります。まず、複数の投資信託を比べる際に役立ちます。同じ期間で運用した複数の投資信託を比べる時、総合収益が高いほど、その投資信託の運用成績が良いと言えるでしょう。
次に、自分の投資目標への進み具合を掴むためにも使えます。例えば、目標とする財産額を決めている場合、総合収益を定期的に見ることで、目標達成までの進み具合が分かります。そして、目標達成までの道筋を修正する必要があるか判断する材料になります。
さらに、長い期間行う投資では、お金が増える効果が雪だるま式に大きくなる複利効果を理解するために総合収益を使うことが大切です。複利効果とは、運用で得た利益がさらに利益を生み出す効果のことで、投資期間が長くなるほど効果が大きくなります。総合収益は、この複利効果も含めた投資成果を示す指標となるため、長期的な財産づくりを考える上で重要な指標となります。
また、総合収益は、投資信託だけでなく、株式投資や債券投資など、様々な投資商品のパフォーマンスを評価する際にも利用できます。それぞれの投資商品の特性を理解し、総合収益を適切に活用することで、より効果的な投資判断ができます。投資経験が浅い方にとっては、総合収益を見ることで、投資の基本的な考え方や成果の評価方法を学ぶ良い機会にもなります。
総合収益は過去の投資成果を示すものであり、将来の成果を保証するものではありません。ただし、総合収益を理解し活用することで、より計画的で効果的な投資活動を行うことが可能になります。
総合収益の活用方法 | 説明 |
---|---|
投資信託の比較 | 同じ期間で運用した複数の投資信託を比較し、運用成績の良いものを選別する。 |
投資目標への進捗管理 | 目標とする財産額への進み具合を把握し、必要に応じて軌道修正を行う。 |
複利効果の理解 | 投資期間が長くなるほど大きくなる複利効果を理解し、長期的な財産づくりに役立てる。 |
様々な投資商品の評価 | 株式、債券など、様々な投資商品のパフォーマンスを評価し、効果的な投資判断を行う。 |
投資の学習 | 投資経験の浅い人が、投資の基本的な考え方や成果の評価方法を学ぶ。 |
注意点
投資を考える際には、過去の成績が良いからといって、必ずしも将来も同様の利益が得られるとは限らないことを理解することが重要です。投資信託は、株式や債券などの市場の値動きに左右されるため、将来の収益は常に変動する可能性があります。過去の総合収益はあくまでも参考情報の一つであり、将来の成果を約束するものではありません。
投資信託を選ぶ際には、総合収益だけでなく、どのような資産に投資しているのか、どのような運用方針なのか、どのようなリスクがあるのかなどを詳しく調べて、自分自身の投資の目的に合っているか、リスク許容度に合っているかを慎重に検討する必要があります。投資信託には、購入時や売却時に手数料がかかる場合があり、運用期間中にも信託報酬などの費用が発生します。これらの費用は投資家の収益を減らす要因となるため、費用の大きさについても事前に確認しておくことが大切です。
投資信託は、銀行預金とは異なり、元本が保証されている商品ではありません。つまり、投資したお金が減ってしまう可能性もあるということをしっかりと理解しておく必要があります。価格変動リスクや金利変動リスクなど、様々なリスクが存在するため、投資する際にはこれらのリスクを十分に理解し、自己責任で判断することが求められます。
投資信託について疑問や不明点がある場合は、販売会社や運用会社に問い合わせて、疑問を解消してから投資することをお勧めします。投資は自己責任で行うものですが、専門家の意見を聞くことで、より適切な判断ができるようになるでしょう。自分の知識や経験だけで判断するのではなく、信頼できる情報源を活用し、慎重に検討を重ねることが、 successfulな投資への第一歩です。
項目 | 説明 |
---|---|
過去の成績 | 将来の利益を保証するものではない |
投資信託の収益 | 市場の値動きに左右され、変動する可能性がある |
投資信託選び | 総合収益だけでなく、資産、運用方針、リスクなどを考慮し、投資目的・リスク許容度との適合性を確認 |
費用 | 購入時・売却時手数料、信託報酬など、収益を減らす要因となるため事前に確認が必要 |
元本保証 | 銀行預金とは異なり、元本は保証されていないため、損失の可能性がある |
リスク | 価格変動リスク、金利変動リスクなど、様々なリスクが存在し、自己責任で判断する必要がある |
疑問点の解消 | 販売会社や運用会社に問い合わせ、疑問を解消してから投資することが推奨される |
情報源 | 信頼できる情報源を活用し、専門家の意見も参考に、慎重に検討することが重要 |