評価損益とは?投資で知っておくべき含み損益

評価損益とは?投資で知っておくべき含み損益

投資の初心者

先生、「評価損益」って、実際に売買してないのに、損益が出ているってどういうことですか?よくわからないです。

投資アドバイザー

いい質問だね。たとえば、100円で買ったりんごが、今は120円で売れるとします。まだりんごは持っているけど、もし今売ったら20円の儲けになるよね。この20円が評価損益だよ。まだ売ってないから「もし売ったら」の儲けなんだ。

投資の初心者

なるほど。でも、りんごを実際に売らないと20円はもらえないんですよね?

投資アドバイザー

その通り!実際に売って初めて利益が確定する。評価損益は、今の値段で売ったとしたらどうなるか?という計算上の数字なんだよ。

評価損益とは。

「投資で使う言葉、『評価損益』について説明します。評価損益とは、まだ確定していない収益のことです。買った株や債券などを実際に売らなくても、今売ったらいくら得するか、もしくは損するかを計算したものです。これを『含み損益』とも言います。つまり、今持っている資産を売ったとしたら幾らになるかという値段と、最初に買ったときの値段の差額が評価損益です。

評価損益の定義

評価損益の定義

評価損益とは、実際に売買が成立していなくても、持っている財産の値動きによって生じる損益のことです。株式や債券、投資信託といった、価格が上下する資産を持っていると、買った時と今の市場価格に差が出ます。この価格の差が評価損益で、利益が出ていれば評価益、損失が出ていれば評価損と呼びます。

もう少し詳しく説明すると、持っている資産の今の価格が、買った時の価格よりも高ければ評価益、低ければ評価損となります。例えば、100円で買った株が、今は120円になっているとします。この場合、20円の評価益が出ていることになります。反対に、80円に下がっていれば、20円の評価損となります。

重要なのは、評価損益は実際に売買が完了するまでは確定しないということです。株の例で言えば、120円になっている株を実際に売って初めて20円の利益が確定します。逆に、売らなければ利益は確定しませんし、価格が下がって損失に転じる可能性もあります。80円に下がった株も、売らなければ損失は確定しませんし、価格が上昇して利益に転じる可能性も残されています。このように、実際に売買するまでは確定しない損益なので、未実現損益とも呼ばれます

資産の価値は常に変動します。そのため、評価損益も日々変化します。評価損益を確認することで、今の投資状況を把握し、今後の投資判断に役立てることができます。例えば、評価損が大きくなっている場合は、売却して損失を確定させるか、あるいは将来の値上がりを期待して保有し続けるか、といった判断が必要になります。このように、評価損益は投資判断を行う上で重要な指標となるのです。

用語 説明
評価損益 売買が成立していなくても、資産の値動きによって生じる損益。 100円で買った株が120円なら20円の評価益、80円なら20円の評価損。
評価益 現在の価格が購入時の価格よりも高い場合の利益。 100円で買った株が120円の場合、20円の評価益。
評価損 現在の価格が購入時の価格よりも低い場合の損失。 100円で買った株が80円の場合、20円の評価損。
未実現損益 評価損益は売買が完了するまで確定しないため、未実現損益とも呼ばれる。 120円の株を売って初めて20円の利益が確定。80円の株も、売らなければ損失は確定しない。

評価損益と実現損益の違い

評価損益と実現損益の違い

財産を運用する際、損益には二つの種類があります。売らずに持っているだけで得られる損益を評価損益と言い、もう一つは実際に売買することで確定する損益を実現損益と言います。これらをきちんと理解することは、資産運用の成功に欠かせません。

評価損益とは、保有している資産の時価が買った時と比べてどれくらい増減したかを示すものです。例えば、100円で買った株が120円に値上がりすれば、20円の儲けが出ているように見えます。これを評価益と言います。反対に、80円に値下がりすれば、20円の損失が出ているように見えます。これを評価損と言います。しかし、評価損益はあくまで値上がりや値下がりによるもので、実際に売買して確定した利益や損失ではないため、「含み益」「含み損」とも呼ばれます。株価は日々変動しますから、評価損益も市場の状況次第で増減するのが特徴です。

一方、実現損益とは、実際に資産を売買することで確定した損益のことです。先ほどの例で言えば、120円で株を売れば20円の利益が確定し、実現益となります。反対に、80円で売れば20円の損失が確定し、実現損となります。実現損益は一度確定すると、その後市場がどのように動いても変わることはありません。

資産運用において、評価損益は売買のタイミングを考える上で重要な指標となります。含み益が増えている時は、売却して利益を確定しようか、もう少し保有して値上がりを期待しようか、よく考える必要があります。含み損が出ている時も、損失を確定するために売却するべきか、今後値上がりする可能性に賭けて保有し続けるべきか、慎重に判断しなければなりません。最終的な投資成績は、実現損益によって決まります。評価損益の推移を参考にしながら、適切な売買のタイミングを見極めることが、資産運用で成功するための鍵となります。

項目 評価損益 実現損益
定義 保有資産の時価変動による損益 資産の売買によって確定した損益
別称 含み益、含み損 確定益、確定損
例(100円で買った株) 120円の場合:評価益20円、80円の場合:評価損20円 120円で売却:実現益20円、80円で売却:実現損20円
特徴 市場の状況により変動する 一度確定すると変動しない
資産運用における役割 売買タイミングを検討する際の指標 最終的な投資成績を決定づける

評価損益の計算方法

評価損益の計算方法

お金の世界でよく耳にする「評価損益」とは、持っている財産の今現在の価値と、最初に買った時の値段を比べて、どれくらい増えたり減ったりしたかを示すものです。この計算方法は、とても簡単です。

まず、今現在の財産の価値を調べます。これは、例えば株なら今の株価、債権なら今の債権価格になります。次に、その財産を最初に買った時の値段を確認します。この値段を「簿価」とも呼びます。そして、現在の価値から簿価を引けば、評価損益が算出できます。

具体的な例で考えてみましょう。あなたが1株100円の株を1000株買ったとします。買った時の値段、つまり簿価の合計は100円 × 1000株 = 10万円です。もし、今の株価が120円だとしたら、現在の価値は120円 × 1000株 = 12万円です。すると、評価損益は12万円 – 10万円 = 2万円。つまり、2万円の儲け、評価益が出ている状態です。

逆に、もし今の株価が80円に下がっていたらどうでしょうか。この場合、現在の価値は80円 × 1000株 = 8万円です。評価損益は8万円 – 10万円 = -2万円。つまり、2万円の損、評価損が出ている状態です。

このように、評価損益は財産の値動きによって常に変動します。株や債権だけでなく、不動産投資などでも評価損益は計算できます。重要なのは、評価損益はあくまで「評価」であり、実際に財産を売却して初めて確定した損益になるということです。評価益が出ていても、売却するまでは確定した利益ではありませんし、逆に評価損が出ていても、売却するまでは確定した損失ではありません。将来の価格変動によって、評価損益はさらに変化する可能性があることを覚えておきましょう。

項目 説明 計算式
評価損益 保有資産の現在価値と取得価格の差額 現在価値 – 簿価 株価変動による損益
現在価値 資産の現在の市場価格 現在の価格 × 保有数量 120円/株 × 1000株 = 12万円
80円/株 × 1000株 = 8万円
簿価(取得価格) 資産の購入価格 購入時の価格 × 保有数量 100円/株 × 1000株 = 10万円
評価益 現在価値 > 簿価 の状態 現在価値 – 簿価 (正の値) 12万円 – 10万円 = 2万円
評価損 現在価値 < 簿価 の状態 現在価値 – 簿価 (負の値) 8万円 – 10万円 = -2万円
確定損益 資産を売却した際に確定する損益 売却価格 – 簿価 売却時に確定

投資判断における評価損益の活用方法

投資判断における評価損益の活用方法

お金をどのように運用していくかを決める上で、評価損益はとても大切な情報です。評価損益とは、今持っている株や債券などを売ったらいくらになるかという計算上の金額で、実際の取引によって確定した利益や損失ではありません。しかし、市場の状況を素早く反映するため、持っている財産の価値が今どれくらいなのかを知る手がかりになります。

評価益、つまり売却すれば利益が出そうな状態の時は、実際に売って利益を確定するタイミングかどうかをじっくり考える必要があります。株価が上がり続けているからといって、必ずしも将来も上がり続けるとは限りません。市場の動向や会社の業績などを分析し、売却の判断材料とするのが良いでしょう。

一方で、評価損、つまり売却すれば損失が出そうな状態の時は、損失を少なくするために売却するのか、それとも将来の値上がりを見込んで持ち続けるのか、慎重に判断しなければなりません。損失を確定するのは辛いものですが、状況によっては損を小さくするために早めに売却するのも一つの方法です。あるいは、一時的な下落だと考え、長期的な視点で持ち続けるという選択肢もあります。その場合も、市場の状況や会社の将来性をよく調べて、持ち続ける根拠をしっかりと持つことが大切です。いずれの場合も、感情に流されず、冷静に判断することが重要です。

評価損益は、あくまでも売却するまでは確定した損益ではありません。日々の値動きに一喜一憂するのではなく、長い目で見て投資をすることが大切です。評価損益を、持っている財産の価値を理解し、今後の投資計画を立てるための貴重な情報として役立てましょう。

評価損益の状態 対応 注意点
評価益(売却すれば利益が出そうな状態) 利益確定のタイミングを検討
市場の動向や会社の業績を分析
株価上昇が続く保証はないため、冷静な判断が必要
評価損(売却すれば損失が出そうな状態) 損失を少なくするために売却する
将来の値上がりを見込んで持ち続ける
感情に流されず、市場の状況や会社の将来性を分析
持ち続ける場合は、その根拠を明確にする

まとめ

まとめ

資産を売却した際に、実際に確定する損益を実現損益と呼びますが、これに対し、評価損益とは、資産を今売却したらどうなるかという仮定に基づいて計算される損益です。つまり、まだ売却していないため、確定していない損益、すなわち未実現損益のことを指します。よく「含み益」「含み損」という言葉が使われますが、これは評価損益のプラスとマイナスをそれぞれ表す言い方です。

では、評価損益はどのように計算されるのでしょうか。評価損益は、資産の現在の価格(時価)から、その資産を取得した時の価格(取得原価)を差し引くことで算出されます。例えば、10万円で買った株が現在12万円になっている場合、評価損益は2万円のプラス、つまり2万円の含み益となります。逆に、8万円に値下がりしている場合は、2万円のマイナス、つまり2万円の含み損となります。

この評価損益は、保有している資産の価値の変化を把握するために非常に役立ちます。資産価値が上がっていれば、投資戦略がうまくいっていることを示唆し、逆に下がっていれば、戦略の見直しが必要となるかもしれません。しかし、評価損益はあくまで「仮の」損益です。実際に売却するまでは利益も損失も確定しません。ですから、評価損益だけに一喜一憂するのではなく、市場全体の動向や、投資先の企業の業績、将来性など、様々な要因を総合的に考慮した上で、冷静な投資判断を行うことが大切です。

評価損益は投資判断を行う上での重要な指標の一つですが、それだけで全てを判断することは危険です。市場環境の急激な変化や、企業の不祥事など、予期せぬ出来事が起こる可能性もあります。常に最新の情報に注意を払い、状況に応じて柔軟に対応していくことが、長期的な投資成功の鍵となります。

項目 説明 計算方法 具体例
実現損益 資産を売却した際に、実際に確定する損益 売却価格 – 取得原価 12万円で売却 – 10万円で購入 = 2万円の利益
評価損益(含み益/含み損) 資産を今売却したらどうなるかという仮定に基づいて計算される損益(未実現損益) 現在の価格(時価) – 取得原価
  • 時価12万円 – 取得原価10万円 = 2万円の含み益
  • 時価8万円 – 取得原価10万円 = 2万円の含み損

評価損益の活用と注意点

  • 保有資産の価値の変化を把握するのに役立つ。
  • あくまで「仮の」損益であり、売却するまで利益も損失も確定しない。
  • 評価損益だけに一喜一憂せず、市場全体の動向や投資先の企業の業績、将来性など、様々な要因を総合的に考慮した上で、冷静な投資判断を行うことが大切。
  • 市場環境の急激な変化や、企業の不祥事など、予期せぬ出来事が起こる可能性もあるため、常に最新の情報に注意を払い、状況に応じて柔軟に対応していくことが重要。