評価益とは?投資で知っておくべき利益の種類
投資の初心者
先生、「評価益」と「実現益」の違いがよくわからないです。どちらも利益なのに、何が違うのでしょうか?
投資アドバイザー
いい質問だね。たとえば、君が100円で買ったおもちゃを、今150円で売れるとしよう。この時、まだ売っていない時点での50円が評価益だよ。実際に売って50円を手に入れた時、それが実現益になるんだ。
投資の初心者
なるほど!つまり、まだ売っていないから手に入っていないお金が評価益で、実際に売って手に入ったお金が実現益なんですね!
投資アドバイザー
その通り!おもちゃをまだ売っていなければ、150円で売れる保証はないよね。もしかしたら、100円以下でしか売れないかもしれない。評価益はあくまで「今売ったらこれだけの利益が出る」という見込みの金額なんだ。
評価益とは。
買った株や債券などの値段が、今売ったら利益が出る状態のことを評価益と言います。逆に、今売ったら損をする状態の時は、その損失額を評価損と言います。実際に売って利益が出た場合は実現益、損をした場合は実現損と言います。
評価益の定義
評価益とは、保有している資産の時価が、最初に手に入れた時よりも値上がりした時に生まれる利益のことです。簡単に言うと、今持っているものが、買った時よりも高く売れる状態になっている時に、その差額のことを指します。
例えば、100円で買ったリンゴを想像してみてください。このリンゴが今では120円で売れるとします。この時、20円が評価益になります。買った時よりも20円高く売れる状態になっているからです。
しかし、注意しなければならないのは、この20円の利益はまだ自分のものになっていないということです。リンゴを実際に120円で売って初めて、20円を手に入れることができます。この実際に売って手に入れた利益のことを実現益と言います。
評価益は、あくまで「今売ればこれだけの利益が出る」という状態を示しているだけです。リンゴの値段は日々変わるかもしれません。明日には130円で売れるかもしれませんし、逆に90円になってしまうかもしれません。つまり、評価益は市場の状況によって常に変動するものであり、売るまでは確定した利益とは言えないのです。
評価益は、保有している資産の価値がどれくらい増えているかを示す目安のようなものです。資産価値の増減を把握する上で重要な情報となりますが、実現益とは異なるため、その違いを理解しておくことが大切です。
項目 | 説明 | 例(リンゴ) |
---|---|---|
評価益 | 保有資産の現在価格が取得価格を上回っている場合の差額。まだ売却していないので確定していない利益。 | リンゴを100円で買い、現在120円で売れる状態。評価益は20円。 |
実現益 | 資産を売却して実際に得られた利益。 | 120円でリンゴを売った場合、20円が実現益となる。 |
評価益の変動性 | 市場の状況により常に変動する。 | リンゴの価格が明日130円になるかもしれないし、90円になるかもしれない。 |
評価益と実現益の違い
資産運用で利益が出た時に、よく耳にする「評価益」と「実現益」。どちらも利益を意味する言葉ですが、この二つには明確な違いがあります。 評価益とは、保有している資産の価値が買った時よりも上がった場合に、その上がった分の利益のことです。 例えば、100円で買った株の価格が120円になったとします。この時、20円の利益が出ているように見えますが、まだ株を売っていないので、これは評価益です。評価益は、あくまで「今の値段で売ればこれだけの利益が出る」という計算上の利益です。市場の価格変動によって、評価益は増えたり減ったりします。翌日、株価が110円になれば評価益は10円に減り、逆に130円になれば30円に増えます。つまり、評価益は売却するまでは確定した利益ではなく、変動する可能性がある利益なのです。
一方、実現益は、保有資産を実際に売却した時に得られる利益です。先ほどの例で、120円になった株を実際に売却すれば、20円の利益が確定します。これが実現益です。実現益は一度確定すると、その後市場がどのように変動しようとも変わることはありません。 100円で買った株を120円で売って20円の利益を確定させた後、株価が150円に上がっても、得られる利益は変わりません。逆に株価が下落した場合でも、既に売却して利益を確定させているので、損失を被ることもありません。このように、評価益は「まだ手に入れていない、変動する可能性のある利益」、実現益は「確実に手に入れた、変動しない利益」と言えるでしょう。
投資を行う上で、この二つの違いを理解することは非常に大切です。評価益はあくまでも評価であり、売却するまでは利益が確定しないことを常に意識しておく必要があります。 株価が上がっている間は大きな利益が出ているように見えても、売却する前に下落してしまえば、利益は減ってしまいます。場合によっては損失が出る可能性もあるのです。投資判断を行う際は、評価益だけでなく、実現益も考慮に入れ、慎重に判断することが重要です。
項目 | 評価益 | 実現益 |
---|---|---|
定義 | 保有資産の価値が上昇した際に生じる、売却前の利益 | 保有資産を売却した際に確定する利益 |
状態 | 未確定の利益 | 確定した利益 |
変動性 | 市場価格の変動により増減する | 売却後は変動しない |
例 | 100円で買った株が120円になった時の20円 | 120円で株を売却した時の20円 |
評価損失について
投資の世界では、資産の値動きによって利益が出たり損失が出たりすることは避けられません。買った値段よりも値上がりすれば評価益、値下がりすれば評価損となります。ここでは、評価損について詳しく見ていきましょう。評価損とは、保有している資産の価格が取得価格よりも下落した際に生じる差額のことです。例えば、100円で買った株が80円に値下がりした場合、20円の評価損が発生していることになります。
重要なのは、評価損は売却するまでは確定した損失ではないということです。これは評価益の場合と同じです。例え20円の評価損が出ていても、まだ株を保有している状態であれば、これはあくまで評価上の損失に過ぎません。市場の状況が変わり、株価が再び上昇すれば、評価損は縮小し、やがてプラスに転じる可能性も十分にあります。逆に、株価がさらに下落すれば評価損は拡大します。
評価損が確定した損失となるのは、実際に資産を売却した時です。この時、初めて実現損として認識されます。100円で買った株を80円で売却すれば、20円の損失が確定することになります。評価損失は保有している限りは確定した損失ではありませんが、投資判断を行う上で重要な指標となります。
評価損の額が大きくなりすぎると、精神的な負担も大きくなります。大きな損失を抱えている状態は、冷静な判断を鈍らせる可能性があります。そのため、損失を限定するために、損切りのルールをあらかじめ決めておくことが大切です。また、評価損が出ている資産を売却する際には、税金についても考慮する必要があります。売却によって実現した損失は、特定の条件を満たせば、他の所得と相殺して税負担を軽減できる場合があります。
投資においては、評価損を適切に管理することが、長期的な成功につながる重要な要素です。市場の動向を注視し、冷静な判断を心がけることで、リスクを最小限に抑えながら、着実に資産を増やしていくことが可能になります。
項目 | 説明 | 具体例 |
---|---|---|
評価損 | 保有資産の価格が取得価格より下落した際の差額。売却までは確定損失ではない。 | 100円で買った株が80円になった場合、20円の評価損。 |
評価益 | 保有資産の価格が取得価格より上昇した際の差額。売却までは確定利益ではない。 | 100円で買った株が120円になった場合、20円の評価益。 |
実現損 | 資産を売却した時に確定する損失。 | 100円で買った株を80円で売却した場合、20円の損失が確定。 |
実現益 | 資産を売却した時に確定する利益。 | 100円で買った株を120円で売却した場合、20円の利益が確定。 |
損切 | 損失の拡大を防ぐために、あらかじめ決めた価格で資産を売却すること。 | 株価が購入価格から10%下落したら売却する、など。 |
税金 | 売却によって実現した損失は、特定の条件を満たせば、他の所得と相殺して税負担を軽減できる場合がある。 | 譲渡損失の損益通算など。 |
税金への影響
投資で得られる利益には、評価益と実現益の二種類があります。この二つの違いを理解することは、税金について考える上で非常に大切です。評価益とは、保有している資産の価格が上昇した際に得られる利益のことです。例えば、株を100円で買って、現在の価格が120円になったとします。この時、20円の利益が出ているように見えますが、これはあくまで評価益です。まだ株を売却していないため、この利益は確定しておらず、税金を支払う必要はありません。
一方、実現益とは、実際に資産を売却して得られた利益のことです。先ほどの例で、120円で株を売却すれば、20円の利益が確定し、実現益となります。この実現益に対しては、税金を支払う必要があります。つまり、資産を保有しているだけでは税金は発生せず、売却して初めて課税対象となるのです。
評価益は市場の値動きによって変動します。今日120円だった株価が、明日には110円に下がるかもしれません。そのため、評価益は確定した利益ではなく、税金の計算基準には適していません。仮に評価益に税金がかかると、株価が下落した際に損失が出ているにも関わらず、税金を支払わなければならないという状況が生じてしまいます。
常に最新の税制を確認することが重要です。税制は改正されることがあるため、将来、評価益に対する課税が行われる可能性もゼロではありません。日頃から税制の変更に注意を払い、適切な対応をとるように心がけましょう。また、具体的な税額や控除については、税務の専門家や関係機関に相談することをお勧めします。
項目 | 評価益 | 実現益 |
---|---|---|
定義 | 保有資産の価格上昇による利益 | 資産売却によって得られた利益 |
課税 | 課税対象外 | 課税対象 |
確定性 | 未確定(市場価格変動の影響を受ける) | 確定 |
例 | 100円で買った株が120円になった時の20円 | 120円で株を売却した時の20円 |
投資判断への活用
投資を行う上で、値上がり益は大切な判断材料となります。値上がり益が大きいということは、持っている財産の価値が上がっていることを示し、市場で高く評価されている状態です。これは、投資の作戦がうまくいっている可能性を示す一つの目安となるでしょう。しかし、値上がり益はまだ確定していない利益であるため、あまりに重視しすぎるのは危険です。市場の状況変化によって値上がり益は簡単に上下するため、将来の価格変動による危険性も考えながら、落ち着いた投資判断をすることが大切です。
実際の利益を確保するには、良い機会に売却することが必要です。そのため、市場の動きや経済の指標などをよく調べ、売却の機会を慎重に見極めることが大切です。値上がり益は将来の利益を予測するものではなく、過去の成績を示すものに過ぎないということを忘れてはいけません。投資は常に危険性を伴うため、値上がり益だけに頼らず、多角的な情報に基づいて判断することが重要です。
さらに、長期的な視点で投資を考えることも重要です。短期的な値上がり益にとらわれず、長期的な成長性を見据えて投資を行うことで、より安定した利益を追求できます。市場は常に変動するため、一時的な下落に慌てず、長期的な視点で投資を継続することが成功への鍵となります。
最後に、自分自身の投資目標を明確にすることも大切です。値上がり益の大きさだけでなく、自分の投資目的や危険許容度に合わせて、適切な投資判断を行う必要があります。目標設定をしっかり行うことで、感情的な判断を避け、より合理的な投資行動をとることができるでしょう。
項目 | 説明 |
---|---|
値上がり益の重要性 | 投資判断の目安となるが、確定していない利益であるため過度の重視は危険 |
売却の重要性 | 市場の動きや経済指標を分析し、売却機会を慎重に見極める |
値上がり益の限界 | 将来の利益を保証するものではなく、過去の成績を示すものに過ぎない |
長期的な視点 | 短期的な値上がり益にとらわれず、長期的な成長性を見据える |
投資目標の設定 | 値上がり益だけでなく、投資目的や危険許容度に合わせて適切な判断を行う |
まとめ
資産を保有していることで得られる利益のことを評価益といいます。これは、現在の市場価格で資産を売却した場合に得られるであろう利益を指し、実際に売却して利益を確定するまでは実現益とはなりません。たとえば、株を100円で100株買ったとします。現在の株価が150円に上昇した場合、5000円の利益が出ているように見えますが、これはまだ評価益です。実際に株を売却して初めて5000円の利益が実現益となります。評価益は市場価格の変動によって増減するため、未確定の利益と言えるでしょう。
投資を行う上で、評価益と実現益の違いを理解することは非常に大切です。評価益はあくまで計算上の利益であり、市場の状況が変わればすぐに減少してしまう可能性があります。一方、実現益は実際に売却して得られた確実な利益です。また、税金についても注意が必要です。評価益には税金はかかりませんが、実現益には税金がかかります。つまり、評価益だけを見て投資判断を行うと、税金分を考慮に入れていないため、実際の手取り額は想定よりも少なくなる可能性があります。
投資判断を行う際には、評価益だけでなく、市場の動向や将来の経済見通しなども考慮に入れる必要があります。将来の経済状況や市場動向を予測することは困難ですが、様々な情報を集め、分析することで、より確実な投資判断を行うことができます。新聞や経済誌、インターネット上の情報などを活用し、常に最新の情報を確認しましょう。また、専門家の意見を聞くことも有効な手段です。
評価益は投資判断の材料の一つとなりますが、過度に重視することは危険です。市場は常に変動しており、評価益はすぐに評価損に転じる可能性があります。冷静な判断を心がけ、リスク管理を徹底することが重要です。たとえば、損失を限定するために、あらかじめ損切りの基準を設定しておくなどの対策が有効です。投資は自己責任で行う必要があり、最終的な判断は自身で行わなければなりません。常に慎重に行動し、必要に応じて専門家の助言を求めるようにしましょう。
項目 | 説明 | その他 |
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評価益 | 保有資産の現在の市場価格に基づく利益 | 未確定利益、税金不要、市場変動の影響を受ける |
実現益 | 資産を売却して実際に得た利益 | 確定利益、税金対象 |